ナフナフのおすすめレストラン
レストラン・ブルディガラ Restaurant Burdigala
六本木ヒルズのけやき坂通りにあるレストラン・ブルディガラ (Restaurant Burdigala) に行って来た。どちらかと言うとフレンチ・レストランだが、パスタもありヨーロッパ中心の欧風レストランに近いと言った方がいいかもしれない。
ランチに来た事があるが、今回は土曜日の夕方、ぶらっと予約も入れずに訪れた。時間がまだ早かったので席は十分空いていて奥の縦長のフロアに通してくれた。入口近くはテーブルが点在するホール状のフロアでちょっとガヤガヤとした雰囲気である。その先にある縦長のフロアは、所々で仕切って個室になる構造のようで、窓側と壁側の2列にテーブルが配置されていて、テーブルの間隔にも余裕があるのでディナーには落ち着く。
席についてまず、タイユバンのシャンパンを戴きながらワインリストに目を通す。さすがに分厚いワインリストである。3980円からページをめくるたびに1000円ずつ値段がアップしていくようにリストされている。確かに予算を気にして探すのにはいいかもしれないが、通常の産地別やセパージュ別のリストの方が好みのワインを探すのが楽しいような気もしないでもない。
アミューズは、『鶏の軟骨の唐揚げ サラミソーセージ カリフラワー ラディッシュ』
カリフラワーやラディッシュを生のまま食べるのがこんなに新鮮で美味しいのだと改めて教えてもらった気がする。
ボルドーに強みのあるワインショップ・エノテカの関連レストランなので(その上、店の名前の『ブルディガラ』はラテン語で『ボルドー』なので)、当然ボルドーワインを飲もうと思ったのだが、ブルゴーニュで面白そうなのがあったので、ソムリエに相談してみることにした。ペルナン・ロサンニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・リシュモーヌである。ロサンはすでに引退して畑をペロ・ミノに譲ってしまったと言うあたりまでは知っていたが、ロサンと言えば『ラ・リシュモーヌ!』と言うほどの1級畑だったという事はすっかり忘れていた。が、ソムリエは飲み頃だと言う。ならばと、ヴィンテージ1988年をお願いすることにした。値段は市場価格の1.5〜2倍程度?で案外良心的と感じたが、それ以上に、まぁ簡単には手に入らないだろうとも思ったのが選んだ理由でもある。
栓を開けてグラスに注ぐと、ルビー色でまだまだしっかりとした色調、エッジ部まで色がはっきりしているようだ。一口目でまだ香りもほとんど感じられず口の中でも硬いなぁと思ったので、そのまま感想をソムリエに話すと、ソムリエも「ちょっと閉じていますね」と同調する。そこでデキャンターをお願いすることにした。
さて料理だが、コースは税込み3990円、5565円と8500円とがあるが、今回はア・ラ・カルトでお願いした。
一品目は、『有機グリーン野菜のサラダ 生ハムのクリスプ フレンチマスタード アンチョヴィ添え』
菜っ葉系を中心としたサラダにアンチョヴィなどを自分でトッピングするものだ。アンチョヴィはさすがに塩気が強くブルゴーニュの赤にはかわいそうである。しかし生ハムをカリッと揚げたクリスプなどにはサラダのアクセントになって美味しい。
この頃になると周囲のテーブルがどんどん埋まっていき、ほとんど満員状態である。
二品目は、『仔牛の胸腺肉“リ・ド・ヴォー”と茸のムニエル はしばみバター風味』
これはまずバターの香ばしさがいい。リ・ド・ヴォーはちょっとレバーのようなモサモサとした食感が美味。自分で注文しておきながら、仔牛の肉を最初鶏肉のレバーだと勘違いしてしまったほどである。この品は一度食べてみる価値があると思う。
そうこうしている間に、グラスの中のワインには変化が見られ、当初感じられた硫黄のような匂いや口に含んだ時のトゲトゲしさがなくなってきた。まだまだたっぷりとパワーがあるが、その中にまろやかでスムーズ、優しい雰囲気が出てくる。ほんのり酸を含んだストロベリー系のジャムあるいはイチジクの味でニュイの土臭さがアクセントになっている。美味しいので、もったいなくて、いつもよりも少しずつ口に運んでいく。
この時期限定で、「Entier アンティエ」と呼ぶそのまま丸ごと料理を出してくれると言うので注文してみた。
まず、『近海産 的鯛の備長炭1匹丸ごとグリル ラヴィコットソース』
さすがに夫婦二人で鯛1匹は無謀なのでハーフでいただいた。ソースをつけなくても味のある鯛の身に舌鼓を打つ。こう言うのって白ワインがノーマルなのだろうが、ブルゴーニュの優しい赤にも良く合うと思える。
そして、『黒毛和牛頬肉のボルドー赤ワイン煮込み トリュフの入ったポテトピュレを添えて』
ボルドー赤ワイン煮込みをブルゴーニュ赤ワインでいただくのもちょっと奇妙だが、和牛の頬肉がトロトロにやわらかくて美味しい。グッグッとワインが進んでしまう。
料理も最後の方になって来ると、ロサンの仕事がほんの少しだけわかってきたような気にさせる。グラスを傾けて赤い液体が喉を通ったあと、舌の上に残るわずかなワインのしずくが甘く、鼻に抜けながら長く長く続くアフターが幸せにさせてくれるのだ。
最後は、フロマージュでウォッシュタイプのチーズを戴き、グラスに残った最後のワインを楽しんだ。このチーズ、かなり濃厚で匂いもすごい。ブルーチーズではないが、好き嫌いが別れそうである。デザートなしで、コーヒーを飲んで、ざっと3時間が経過していた。
簡単なディナーのつもりで来たのだが贅沢ディナーになってしまった。古典的なブルゴーニュワインと出会えて、ソムリエとの会話も楽しませていただいた。フレンチとしてみたら料理の飾り気は物足りないが、気軽に訪れ美味しいワインを比較的安く楽しめるレストランである。

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